先生たちへ、新たな視点を届ける
学校の先生にどんなイメージがありますか?
子どもと関わるやりがいのある仕事、熱血漢の名物先生が面白かったなど、色々なイメージがあると思います。一方で、「外の世界を知らない」というイメージを持たれてしまうことも。でもそれは、インプットをする時間や場所がないという環境の問題があるのかもしれません。
「先生の学校」は、先生たちに新しい視点を提供し、『子どもと先生、両者の人生をより豊かにする』との想いから、2016年9月より活動を開始した団体だ。具体的には、教育関係者に良質なインプットを届けるイベントなどを開催している。

第一回はお笑い芸人のキングコング西野亮廣さんやMC・キャスターの長谷川豊さんらをゲストに迎え、第二回は「教育現場でのクラウドファンディングの活用方法」をテーマにイベントを行った。今年からは、毎月テーマを変えてイベントを開催する予定で、3月のテーマは「フィンランドの教育を知ろう活かそう!」だそうだ。
今回は、一緒に活動するボランティアスタッフの募集です。仕事内容は、教育現場に浸透していないテーマを見つけてゲストを招き、来場者に新しい視点を持ち帰ってもらうこと。
今は東京でのイベント開催が主な活動だけれど、今後は自分たちだけではなく、地方でも同じように活動をする人を増やしていきたいのだとか。「先生の学校」特化型のオンラインサロンも今後作っていきたいそう。
現在10名を越えるスタッフは、みんな働きながら自分の時間を使って活動している。代表の三原菜央さんもフルタイムの傍ら活動しているので、複業的な関わり方が出来る。
実は今回、第二回のイベント「教育現場でのクラウドファンディングの活用方法」に招いていただいた。場所は、渋谷・道玄坂にある白を基調としたお洒落で開放的な空間のBOOK LAB TOKYO。
イベント終了後、心地よい音楽が絶え間なく流れる中、代表の三原さんにお話を聞きました。2時間のイベントの後ですこし疲れているかな?と思いきや、明るく、ざっくばらんに話してくれました。

三原さんは、大学を卒業後、新卒で学校法人に入社し、大学や専門学校で教鞭をとっていた。「先生の学校」を立ち上げたのは、保育士を養成する専門学校で働いていたときの出来事がきっかけだそう。
「保育士を養成する専門学校で働いていたときのことですが、保育士にならずに民間の企業を進路に選ぶ生徒もいたんです。そのときに、会社で働いた経験がない自分は、そういう生徒に進路のアドバイスができないことに気付いてしまって…。」
それなら一度、会社で働くべきかもしれない。そう思い立ち、教育現場を飛び出すことに決めた。学校法人に8年間勤めた後、現在は事業会社の広報として働きながら、仕事以外の時間を「先生の学校」の活動にあてている。
教育業界に興味を持ったのは両親とも教師だった影響が大きいという。両親からは仕事の愚痴を聞いたことがなかった。とはいえ先生の仕事は、毎日の授業や保護者の対応、部活動や進路指導など、世の中にいくつもある仕事の中でも大変な職業であることは知っていた。
「先生って本当に大変な仕事。家庭環境が1人1人違う子どもを導いてあげないといけない。そういう素晴らしい仕事をしている人たちの人生が豊かになってほしいし、先生自身が幸せでいてほしい。そう思ってこの事業を立ち上げたんです。」
今は自分が教育現場に戻ることより、教育現場を飛び出して培った経験をもとに、先生たちの人生を豊かにすることにやりがいを感じる。平日の仕事で受ける刺激や学ぶことがあるから「先生の学校」を頑張れるそう。
すこしだけ昔の話を聞いてみた。思い出に残っている先生はいますか?
「わたし、高校時代にバスケットボールやってたんです。そのときの顧問の先生が、教え方もそうなんですが、モチベートをするのが上手くって。それにダンディーだったし!(笑)そのおかげで県大会までいったんです。その経験から先生は導いてくれる人がいいなって。」
「先生が正解を与えるのではなく、押し付けずに、その子に合った選択肢を提案するような教育がもっとあってもいい。そのためには先生自身がいくつ選択肢を持っているかが重要になってくる。だから、先生が子どもに与える選択肢が増えればいいなと思って活動しています。」
教育=Educationの語源のEducateには「引き出す」という意味がある。一方通行ではなく、どれだけ子どもたちの才能を引き出すことが出来るか。それが先生という仕事の醍醐味なのかもしれない。
一緒に活動する城迫さんにもお話を聞きました。

城迫さんは、webマーケティングの会社に勤めている。先生の学校は、教育関係のスタッフが多いが、その中で数少ない事業会社に勤めるメンバーだ。IT企業で働いている経験を活かして「先生の学校」ではwebの担当をしている。
三原さんとは仕事関係で知り合い、職場以外の価値観にも触れてみたいと感じて活動に参加することを決めたそう。
「元々内気な性格だったんですが、この活動を通じて性格が変わったかもしれません。」
穏やかに優しい口調で、先生の学校の活動を始めてからの変化を話し始めた。
「本当にいろんな人に会うので。スタッフさんやイベント参加者は教育関係の人が多いので、少しずつ教育の世界のことも分かってきました。今では、少し保守的に感じる先生の世界に、何か新しい価値観を提供出来たらと思っています。」
先生の学校以外にもやってみたいことがあるそうで。
「地元で鯉の養殖が産業として行われているのですが、今は少し厳しい状態なんです。それを、ECサイトなのか何なのか方法はまだ決めていませんが、必要とされている方に届けていくようなことをしたいと思っています。」
今は知人がやっている養殖場に足を運ぶこともあるそう。2足のわらじとして始めた先生の学校が、3足目のわらじの引き金になったのかもしれない。
次に、小学校の先生の傍ら、先生の学校で活動する佐藤さんにもお話を聞きました。
佐藤さんは学生時代にバックパッカーをしていたそうで、そんな多様な経験に魅力を感じて三原さんが声をかけたのだとか。
「三原さんに誘ってもらったのがきっかけです。実は、私も何か始めたい、でも何から始めたら良いのか分からない、と思っていたので、すぐに参加することを決めました。」
バックパッカーをしたり外の世界に目を向けている方かもしれないけど、それでもまだ足りない。お話を聞いていて、そんな好奇心や使命感に近い気持ちを感じた。
今はまだ始めたばかりだが、早速うれしいことがあったそうだ。

「職場で同僚にイベントのパンフレットを配ったら、2人の先生が来てくれたんです!自分と同じように、何か始めたいけど、どう始めようか迷っている先生もいるのかもしれないって。自分で動いてみなかったら、分からなかったことかもしれません。」
佐藤さんが勤務する横浜市では、全ての小学校にiPadが導入されているそう。グループ学習で使用し、体育の時間では例えば跳び箱の上手なクラスメイトを撮影して、自分の動きと何が違うのかを考える子もいるのだとか。
すごい時代になりましたね。
「教育も、子どもたちも、どんどん変わっていくのだから、先生も変わっていきたい。」
そう、声のトーンを上げた。なにより「先生の学校」で新しく知ったことを子どもたちに伝えるのが楽しいそうだ。クラウドファンディングのことも、イベントを企画するまでは知らなかったそうで、早速生徒たちに話したいと意気込んでいた。
先生であっても現在進行形で勉強を続けている。この先生のクラスは楽しいだろうなと感じた。
最後にどんな人と活動したいか三原さんに聞いてみました。
「なによりチームや仲間を大切にする人に来て欲しい。一歩踏み出したいけど…と迷っている方がいたら、うちを選んだくれたら嬉しいです。」
「創る経験をしたい人には良いかもしれません。答えのない中、まずはやってみたいと思う方がいたら一緒にやりたいなと思います。スキルがなくても大丈夫です。私が持ってるものは渡したいし、関わった人には幸せになってもらいたいんです。」
そう話す三原さんの声は明るく、表情はイキイキとしている。「前のめり」に進み続ける三原さんと一緒に働けば、視野が広がり、なにより元気をもらえそうだ。

ひとつひとつ出来ることを本気でやっていく。その結果、現状より少しずつ良くなって欲しい。話を聞いていて、そんな思いを感じました。
「先生の学校」には「こんなゲストを呼びたい!」と提案すれば実現出来る雰囲気がありました。教育に関心はあるけれど、なにから始めていいのか分からない方は、スタッフとして関わってみることで小さな、でも確かな道が拓けるかもしれません。
先生の学校(任意団体) | |
募集職種 | イベント企画・運営、web担当 |
仕事内容 | ・先生の学校の定期イベントの企画、運営 ・webサイトの改善、運用 ※今後、webサービスを活用した地方への展開なども検討中です |
働く場所 | ・都内で打ち合わせを行います ・定期イベントは都内を中心に行っています |
働く時間 | 毎回の活動参加が必須ではありません。その時々の状況に応じて、ご参加いただくことが可能です。 |
求める人物像 | ・教育に興味がある方 ・自ら提案して動いていける方 |
雇用形態 | ボランティアスタッフ |
給与 | イベントを通じた新しいインプットや、関わる人の広がり (給与は発生しません) |
募集予定人数 | 若干名 |
選考プロセス | ページ下部のフォームより以下をご送信ください。内容を確認の上、担当者より連絡させていただきます。 ・お名前/メールアドレス/電話番号/ご年齢 ・応募のきっかけや動機(短くて構いません) |
その他 |