〈募集終了〉社員食堂2.0を仕掛ける -はたらく人の日常を健やかに-

※本求人は募集を終了しています。一つの事業ストーリーとしてご覧ください。

 社会人になって思うのは、小さいころ家に帰って、あれだけバリエーションのある料理が出てきたのは、すごいことだった。

「一汁三菜」なんて言うけれど、作るには時間と手間をかけて、栄養のことも考えて、何より料理の腕も必要。

共働きが普通になって、核家族化が進んだ今、改めて「食をどうしようかな」と考える時間が必要なのかもしれない。

 株式会社社員食堂は、はたらく人の健やかな日常を、「社員食堂」をキーにして実現していく事業を展開する。2017年4月に高橋さんが創業し、その肩書は「代表栄養士」。

具体的には、社員食堂を作る会議のファシリテーションや、実現へ向けた提案を行う。社員食堂は、食事の場にとどまらず、社員が自身の日常を振り返り、また会社が社員の健やかな生活を願う気持ちを伝え実現する場であると考えている。

現在、株式会社社員食堂の事業だけでなく、おとな食堂のグッドデザイン賞出展など、様々なプロジェクトが動いています。

これからご紹介する、事業やプロジェクトにご興味を持っていただけた方は、まずは「おとな食堂」に来ていただき、お話させていただくことから始めたいと思っています。

 東京丸の内にある、東京における創業の入口「Startup Hub Tokyo」を訪れた。

代表栄養士の高橋さんは、楽天株式会社在籍中に社員食堂プロデューサーを約7年間務めた。その時から、社員食堂とは何なのか、「レストランとも少し違うな」などと、言葉を探していた。

「社員食堂は、はたらく人の健やかな日常を、食の面から担う場所だと思いました。レストランは、特別な日の食の場としては良いですが、日常的な食の場としては、違うと思ったんです。」

時代を重ねて、食べ物は豊富になってきたけれど、食の環境が必ずしも良くなっているわけではない。

「昔はお母さんが、朝昼晩作ってくれていました。受け身でいても、季節の食材を使った、バランスのとれた食事が用意されていました。」

「今は共働きなどで、食の面倒を見てくれる人が、身近にいなくなってきています。自分の言葉で『これが欲しい』と言う必要性に実際は迫られているのですが、健康を支えてくれるメニューが何なのか、当の本人がよく分からない状態なんです。」

厚生労働省は、健康な生活を営むために、どのような食品群から、どれだけの量を摂取すれば良いか数字で示している。

「野菜350g、芋100g、豆80g、魚・肉100〜150gなどですが、この中で一番摂るのが難しいのって、どれだと思いますか?」

「野菜なんですよ。普段の外食で付く野菜は、大体20〜30gです。100gの野菜を惣菜で摂ろうとすると、400円くらいかかるので、お弁当が1つ買えちゃうんです。」

「惣菜は高いですし、いざ素材の野菜を買っても意外と調理方法に困ってしまいます。サラダバーなどではたくさん摂れますが、少し無理して食べているような気もしますし。」

「野菜を、自分で摂れるようにしなきゃいけないね、というのが裏ミッションなんです。」

 株式会社社員食堂の創業前から、「おとな食堂」というイベントを毎月開いている。社員食堂Labという、会員制のコミュニティキッチンのディレクターを、約1年前から任され、フラグシップイベントとして始めた。

おとな食堂は、話す、作る、食べる、という3つのパートで構成されている。

「『話す』は、日常の食で気になっていることや疑問・知りたいことなどを自由にポスト・イットに書き出していくんです。」

「例えば、『昼ごはん食べれていない』『職場にキッチンが欲しい』など、様々な言葉が出てきます」

「それらをカテゴリーごとに分けて、トピックをその場で組み立てて、みんなで話すんです。」

「例えば、会社の周りの飲食店のバリエーションをトピックにしたり、弁当作りやお酒の飲み方をトピックにしたり様々です。」

おとな食堂の参加者は、自分で野菜を持ってくることになっている。

「『作る』のパートは、『自己お野菜紹介』から始まります。」

「『買ってきたはいいけど、どうしたらいいか迷っていた野菜』『うちのお母さんが田舎で作った野菜』『冷蔵庫で1週間眠っていた野菜』など、人によってストーリーがあります。」

「その野菜たちを見て、私がその場で料理を決めていくんです。」

「例えば、人参は白和えにしたり、枝豆はペペロンチーノにしたり、1つの野菜に1つのメニューをその場で考えます。

「黙々と作る人もいれば、おしゃべりがメインの人もいます(笑)。ご夫婦で来た方は、普段は料理をしない旦那さんに任せてみたり、様々です。」

「そして『食べる』ですが、野菜の料理をその場で作って、その場で食べるという体験が、大事だと思っているんです。」

「その場で日常の食に対する答えを出すではなく、家に帰ってからも考える、というきっかけになればと思っています。自分で考えて、少しずつ実践してみる、ということを大事にしたいと思っているんです。」

 株式会社社員食堂の事業を言葉にすると、「食栄養環境整備事業」。

「『食環境』という言葉はよく聞きますが、『栄養』という観点が抜けていることがあります。食環境では、ただ食べるためだけの環境をイメージしてしまいがちです。」

「健やかな日常を送るための食の基準は決まっているので、何を食べるかが大事だと思っています。」

「社員食堂は、はたらく人が毎日の食事をする場所です。」

「会社が社員のことを大事に思うのであれば、社員食堂に無関心や無責任ではいけないと思うんです。」

具体的な事業内容は、社員食堂を作る会社の会議体で、ファシリテーションと、実現へ落とし込む提案を行うこと。

「提案内容は、社員食堂というハコを作るだけでなく、ケータリングやお弁当の用意、あるいは週に1回の健康なご飯を食べる会、などになるかもしれません。」

「社員食堂は、会社が社員に対して『あなたが大切な存在だから、健康でいてほしい』と、食を通してメッセージを伝える場だと思っています。なので、必ずしも、社員食堂というハコを作る必要はないと思っているんです。」

「社員食堂の運営を事業とすることも考えましたが、それでは『お母さん』になってしまうと思いました。自分たちの言葉で健康な食について話し、自分たちで考えて実現していくことが大事だと思ったんです。」

社員食堂のファシリテーションの他に、おとな食堂をto B向けに展開することも考えている。

「ワークショップとして、出張おとな食堂を開きたいと考えています。いきなり会議体を開くのが難しいケースもあると思うので、きっかけとして行いたいと思っています。」

他にもアイディアは尽きない。

「会社運動会の弁当を、ハックしたいと思ってるんですよ(笑)。会社運動会を企画運営する会社があるのですが、お弁当のことまで手が廻っていないようなんです。今のお弁当は、栄養バランスや、消化にも良くなさそうでした。」

「そこで、『全部50g弁当』というのを作ってみました。1品を1つの野菜で作っていて、これで1日に必要な野菜を摂ることが出来ます。」

「野菜をおなかいっぱい食べて、体調の変化を感じたり、そういう体験をすることが大事だと思っています。自分の普段の生活を振り返り、自分で考えるきっかけを提供したいんです。」

「そういう場をデザインするというイメージなので、実はおとな食堂でグッドデザイン賞へエントリーしたんですよ。」(2017年8月6日現在二次審査結果待ち)

「最終的に、野菜料理を自分で作るのか、野菜ジュースで補うのかは自由ですが、まずは健やかに生活するための、ベースを知らなければいけないと思っています。」

「健やかに生活するための基本知識を付けて、自分で日常の生活を設計出来るような、仕掛けを作りたいんです。」

 最近働き方が見直されているけれど、体をつくる「食」も見直すことが出来ると、もっと良い日常が待っているはず。

「興味を持っていただけた方は、おとな食堂に来て下さい。一緒に話しましょう!」と高橋さんがおっしゃっていた。

今回聞いた話以外にも、まだまだ想いやアイディアにあふれていそう。

ご連絡お待ちしています。

※本求人は募集を終了しています。

2017年08月08日 | Posted in 求人 | | Comments Closed 

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