〈募集終了〉規格外農産物の、価値を掘り起こす -いかに高く仕入れ、いかに多く届けるか-

※本求人は募集を終了しています。一つの事業ストーリーとしてご覧ください。

 規格外農産物の基準は、味や栄養素などの品質ではなく、大まかに言うと見た目。

農産物によっては、生産量の約40%が、規格外を理由に二束三文の値付けをされたり、廃棄されているとも言われている。

規格外とは言っても、農家さんがこだわって作った農産物。味も栄養素も変わりないのだから、消費者に喜んでもらえる方法があるはず。

 株式会社イージェイは、規格外農産物の付加価値を高めた、商品の企画・製造・販売を行っている。

それによって、農家からは品質に見合った適正な価格で仕入れ、消費者には通常より求めやすい価格で届けている。

具体的な商品は、コールドプレスジュース、そしてOOZY WATERだ。

コールドプレスジュースは、味や栄養素を壊さない製法で作っており、ヘルスケアの要素も盛り込んでいる。また、加工をするため、規格外農産物のネックである、見た目が気になることもない。

これから、OOZY WATERの製造や販売体制を整え、規格外農産物の仕入れと流通を、拡大していくところ。

イージェイの規格外農産物に対する考え方や取り組みも、より多くの人に伝えていきたいと考えている。

日々勉強しながら進んでおり、これからご紹介するイージェイの考え方に共感いただけた方は、まずは一緒にお話させてください。

 東京麹町にある、コールドプレスジュースやヘルシーな飲食物の製造や販売を行う、「EJ JUICE & SOUP」麹町本店を訪れた。

 代表の岩崎さんの実家は、静岡で代々続くみかんの専業農家だけれど、後を継ぐことには消極的だった。

「小さい頃に手伝わされていましたし、休みがないので、遊びに連れていってもらった記憶もほぼないんです。休めるのは、天気が悪い時ですし。」

「余談ですけど、僕の誕生日は12月10日で、みかんは秋冬が忙しいので、誕生日だけでなく、クリスマスも祝うどころか、『むしろ手伝え』という状態でした(笑)。」

「家族との時間を取れないことへの不満もありましたし、それだけ働いても、あまり裕福ではなかったんです。」

 大学の時、実家の農業に、少し違う視点から関わる機会があった。

「マーケティングのゼミで、チームでテーマを決めるのですが、友達の『お前んち、みかん農家だったよね』という一言から、みかんを題材にすることにしました。」

「親父にヒアリングをして、改めて農業やみかん業界の話を聞いて、こんなに大変なんだと実感しましたね。」

提案は、地域ブランドのみかんを、付加価値を高めて販売することだった。

「『寿太郎』という高単価のみかんがあるのですが、価格帯が中途半端で、売り方がもったいないなと思いました。味はすごくおいしいんですよ。」

「そこで、甘さや糖度などの基準を作り、プレミアムな寿太郎として、一つ一つ包んで桐の箱に入れたり、チャネルも百貨店に絞る、などの提案をしました。」

「その時に、やり方次第ではいけるんじゃないかと、興味を持ちました。親父にも喜んでもらえましたし。」

 ただ、父親から農家を継げと言われることはなく、岩崎さんが社会人になってから、その理由を聞いて心が動いた。

「『時代も時代だし、継ぎたいと言われればウェルカムだけど、無理やり継がせるつもりはない。何代も続いているけど、それも気にしなくていい』と言われました。」

「胸を張って継げと言えないというのが、切なかったし、そういう農業って悲しいな、と思いました。」

子どもながらに大変な思いをしてきたから、後を継ぐという選択とは別の道で、農業に関わろうと思った。

「当時は、第三者的な立場から農業を良くしよう、という人がいなかったんです。」

「だからおもしろいなと思ったんです。誰もやっていないとか、ピンチな状況とかが、逆にチャンスに思えて、今を変えたらもっといい農業界になるんじゃないかと思いました。」

それから、将来は農業のビジネスで独立することを胸に企業で経験を積み、イージェイを創業した。

 規格外農産物に着目したのは、実家を手伝う中で、その実情を知っていたから。

「僕がすごい衝撃的だったのは、少しでもキズが付いたみかんは、畑に捨てられたり、家で食べたりして、市場に持っていかないんです。なんでって聞くと、売っても二束三文にしかならないから、逆に手間がかかるということでした。」

「もったいないなぁと、ずっと昔から思っていて、だから最初に浮かんだ問題が、規格外農産物でした。」

規格外農産物は、安い価格で大量に買われるのが一般的だ。イージェイは、仕入れる側として、従来の価格設定を変えようとしている。

「形は悪いけど、味や作り手のこだわりを評価して、ちゃんとした値段で買おうと思いました。」

「生産者は今までより売上が増えるのでハッピーで、僕らも正規品よりも安く仕入れることが出来ます。」

「ただ、単に僕らの利益を上げるのではなく、お客さんにハッピーを戻そうと思いました。従来より高く仕入れた規格外野菜を、価値を高めて売るんだけど、他の店よりは安くすることで消費者も嬉しい、という風にしたら流通量も増えるんじゃないかなと思いました。」

 それからは、規格外農産物に、いかにプレミアムな価値を付けられるかを模索していた。

あるきっかけで、コールドプレスジュースの存在を知った。

コールドプレスジュースは、熱の発生や酸化を抑える圧搾方法で、素材が持つ栄養素や酵素を最大限摂取することが出来る。

「単に美味しいジュースというだけでなく、健康や美容など、いろんな可能性が広がると思いました。」

1日の食事を、数種類のコールドプレスジュースに置換え、消化器官のリズムに合わせて、それぞれの飲む時間帯の提案まで行っている。

「1日から長い人は1週間くらい、一定期間固形物をとらないことで、消化器官を休めることが出来ます。それによって、代謝が良くなり痩せやすい体質になったり、肌荒れの改善や、疲労の回復につながるんです。」

コールドプレスジュースは、食品衛生法上なま物の扱いになるから、流通面で課題があった。

「これまでは、店頭での販売や、デリバリーを行っていました。」

「もっともっと仕入れの量を増やしたいと考えたら、コールドプレスジュースだけでは限界があります。」

「販路を拡大出来るような、ポテンシャルが高い商品を作りたいと考えたんです。」

 OOZY WOTERは、水にドライフルーツ&ベジタブルと、ハーブやお花を入れて、飲む飲み物だ。果物や野菜の味やフレーバー、栄養素が水に溶け出す。

「規格外農産物に適した商品ですし、保存もきくので、ECサイトや他のお店の店頭での販売なども可能です。」

2017年7月には、クラウドファンディングも成功させている。

コールドプレスジュースは、自分たちで製造してきたが、OOZY WATERは、規模などの面で自社製造は難しく、委託して製造を行う。

「信頼できる工場に委託出来ましたが、今後規模を拡大していくと、新たな工場の開拓や、体制を整えていく必要があります。初めての経験なので、全てが勉強で、独学で進めているところです。」

「メーカーなどで、製造委託や物流面で経験がある人に、手伝ってもらえたら、とっても助かります。」

販売面も、模索しながら進めていく。

「ECでの販売もしますし、想いを理解してくれる販売店や、オフィスに置いてもらいたいとも考えています。」

「ヘルシーな飲み物なので、オフィスワーカーの人にも飲んでもらいたいんですよ。あとは、フィットネス系のジムやエステサロンなど、アイディアはありますが、それを一つ一つどう形にしていくかが、これからの課題です。」

 消費者、ひいては社会に対して、イージェイの取り組みをどう伝えるか、コミュニケーションも丁寧にとりたいと思っている。

「単においしくて体に良い、だけでは足りないのですが、逆に社会性だけを全面に出すのも違うと思っています。規格外農産物の問題に関心がある方向けではなく、一般的な商品として流通させることで、規格外農産物をより多く仕入れたいんです。」

「商品として好き、だけど深く知っていくと、実はすごいポリシーがあって、社会にとって良いことをしている、そういう段階を踏んで、伝えていきたいんです。」

「webサイトでの情報提供もそうですが、印刷物一つとっても、もっと出来ること、やらなければいけないことがあると思っています。」

「規格というのは誰かが決めたことですが、現代の価値観に則しているのか、という問題もあると思っています。」

「僕らの商品を通して、規格外農産物への意識が変わって、日々の野菜や果物の消費の一部が、規格外農産物に置き換わっていけば良いなと思っています。」

「最近は少しずつ、規格外農産物に対して同じようなマインドで、何かを始めたいという人も増えてきました。同じ理念を持った仲間たちを巻き込んで、向き合っていきたいです。」

「イージェイは今はまだ小さいですが、メッセージを発信して伝えられるくらい、影響力のある規模感にしたいと思っています。」

 今は食に関心が高い共同創業者と、2人で大きな方針を決めて、動いている。

日々めまぐるしく変化しているから、興味を持っていただけた方とは、まずはお話して、関わり方などを相談したいということだった。

創業から2年、今大きく舵を切り始めた。

イージェイのこれからの広がりに、わくわくした方のご連絡お待ちしています。

※本求人は募集を終了しております。

2017年08月17日 | Posted in 求人 | | Comments Closed 

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