〈募集終了〉あなたの視点で、お客様に楽しい旅の思い出を

※本求人は募集を終了しています。一つの事業ストーリーとしてご覧ください。

 Train Hostel 北斗星でアルバイトとして働く高校生の北出(きたで)さんは、ある企画を進めているそうだ。

「寝台列車を使った宿が増えてきているので、タイアップをしてスタンプラリーをやったり、グッズを作ってみたいと思っています。今マネジャーの野村さんと、相談しながら進めています。」

自分の好きなことは、どんどんアイディアが湧いてくる。そのアイディアが形になって、お客様が満足してくれたら、と考えるとワクワクする。

 Train Hostel 北斗星は、寝台特急北斗星の部品を再利用した宿泊施設だ。もともとあったビルをリノベーションし、2016年12月、東京・馬喰町にオープンした。列車としての北斗星は、2015年8月に運行廃止となったが、R.projectが企画を提案、ジェイアール東日本都市開発が中心となり、生まれ変わった。

運営しているのは、企画を担った株式会社R.project。「R」は、Rediscover(再発見)、Revitalize(再活性)、Renovate(改修)、Reuse(再活用)などの頭文字からとっているのだそう。地域の遊休施設再活用を目的に、国内の合宿事業、バジェット旅行(低予算の旅行)に関わる施設運営などを手がける。

 今回は、Train Hostel 北斗星で、フロントや清掃などのマルチタスク業務を行う人の募集です。寝台列車というユニークな特徴を活かして、インバウンドや地域おこし、地方活性化に関連する企画を、一緒に考えていくことも期待しています。シフト制だから、今の自分のライフスタイルに合わせて、複業的に働くことが可能です。

 JR馬喰町駅から地上に出ると、隣にTrain Hostel 北斗星がある。少し細長いビルの入り口から、建物の中を覗いてみると、そこには切符売場を思わせる受付が見えた。

2階のラウンジに上がり、マネジャーの野村さんに話を聞きました。ちなみにこのラウンジは、北斗星の食堂車「グランシャリオ」を模している。テーブルや椅子、テーブルランプや天井の照明は、本物の部品を使っているのだそう。

 野村さんは、2015年にR.projectに中途入社し、北斗星の立上げ時から関わっている。サービス業が好きで、レストランやホテル、フィットネスクラブなど様々な仕事をしてきた。北斗星の管理職という立場ではあるが、清掃や予約管理の業務をこなし、プラスでマネジャーの仕事をしている感覚だそうだ。お客様とのコミュニケーションが、サービスを向上させる学びになるし、なにより楽しいそう。

「お客様が、北斗星懐かしいな〜、すごい良かったよ、と言ってくれると、いつも『救われた』って思っちゃうんです。前に、五つ星ホテルでも働いたことがあるんですが、そういうところはスマートなサービスが多くて。ここはお客様が家みたいな感じで帰ってくるので、人生のこととか本音で話してくれるんです。それが、目指すべきホスピタリティかなと思っているんです。」

日々、お客様から意見も聞いているそう。

「お客様に、こういうのあったらどうですかってよく聞くんです。鉄道ファンのお客様が、自分で撮った写真をラウンジで見ていたことがあって。その時に『鉄道の写真をここに飾るのってどうですか?』って聞いたら、とても喜んでくれて写真をくださったんです。今はここに飾っています。自分の写真が飾ってあったら、帰って来た時にうれしいじゃないですか。」

絵も飾られていた。

「お客様が書いた絵なんですけど、その方は何も言わずに一晩で書いてくれて、チェックアウトの時に『どうぞ』とくれたんです。」

フロントでは、外国のお客様を中心におすすめの観光スポットを案内しているそう。初めて日本に来た人には、浅草などの定番スポットを紹介し、長期で滞在する人には、箱根にある野村さん行きつけの温泉を案内することも。あまりにも親切に案内するものだから、他の宿泊施設のお客様が、連日おすすめスポットを聞きに来たこともあるのだとか。

そして、お客様が帰って来たら感想を聞いて、それを次の案内に活かしているのだそう。満足いただけなかったらどうしよう、という気持ちもあるが、しっかり対話すれば分かってもらえる。野村さんは、「聞く」ことで日々のサービス向上を図っているようだ。

 仕事のスタイルや、提供するサービスに制限を設けない。これはR.projectという会社の社風が、そう促しているのかもしれない。

「人の可能性に一切制限をかけないというか、可能性を見つけるのがすごく上手なんです。アルバイトの仕事はここまで、とか制限をする考えはなくって、アルバイトさんにもアイディアを出してもらうのがすごく上手なんです。自分はこれしか出来ないではなくて、みんな自分はこれが出来るって思いながら、活き活き働いていると感じました。今はマネジャーにさせてもらったので、今度は自分がそれをやらないとって思ってます。」

マネジメントも、スタッフさんからフィードバックをもらい、探りながらやっているそうだ。お客様への接し方と少し似ている。

「スタッフさんからフィードバックをもらったのですが、私のお客様や施設への想いを聞いて、自分もこういう風に働こうと思ってくれるみたいです。ここで働く期間が短くても、ここで働けてよかったなと思ってもらえるようにしたいんです。」

今後は、客層を広げたり、馬喰町にある問屋街との関係も深めていきたいそうだ。

「海外にも鉄道ファンのお客様がたくさんいると思うので、PRしていきたいんです。馬喰町は、空港からのアクセスが良いですし、一歩問屋街に入ると田舎っぽさとか人のあたたかさを感じられます。うちの会社は、『人と違う視点を持って、日本のポテンシャルを発揮する』ということを大事にしているので、問屋街の方と一緒に盛り上げていきたいです。」

東北地方のPRにも力を入れていきたいそう。

「北斗星は、上野から札幌まで走っていたというストーリーがあるので もっと東北地方のPRを強めていきたいなと思ってます。ジェイアール東日本都市開発さんは、今回ここをオープンするにあたって、東北地方に人の流れを持っていきたいという想いがあるんです。そこがまだ出来ていないので、その想いを形にしていきたいです。」

 アルバイトとして働く、北出さんにも話を聞きました。北出さんは現在高校1年生で、オープン当初から働いている。

「この宿が出来ることをニュースで知って、電話で『ちょっと働いてみたいんですけど』とお願いしたんです。宿は夜の勤務が多いので難しいということでしたが、オープン前の内覧会をインターンという形で体験させてもらえました。その時に、僕が北斗星に詳しいということで、社長さんから声をかけていただいて、日中の業務をやらせてもらえることになりました。」

「ちょっと大きな夢かもしれない」と謙遜しながらも、将来は自分で寝台列車を使った宿を運営したいと話してくれた。北出さんの寝台列車好きの原点は、小学校2年生の時に乗った寝台特急「富士」だそう。二段の向い合せの寝台で、初対面の人と芽生えたちょっとした友情が、ロマンチックに感じた思い出だそうだ。

最初は清掃業務をメインで行っていたが、今はフロントで接客業務も行っている。

「フロントやラウンジでお客様と交流して、いろいろと話せるのが楽しいです。宿を開いている方がいらしたりするので、アドバイスをもらったり、うちではこうやっているよとか聞いたりしています。最初は、接客に慣れていなくてしどろもどろだったのですが、回数を重ねるうちにスムーズにご案内できるようになりました。」

 自分の将来に向けて、既に寝台列車の宿の企画書を作り始めているそう。「寝台列車好きとしては」という前置きで、ビルのリノベーションではなく、列車そのものを使った宿をやりたいのだとか。ただ、北斗星で働いている経験からだろうか、土地代や輸送費、車両取得の交渉などシビアな課題も話してくれた。

今後、北斗星でやってみたいことは、冒頭に紹介した他の寝台列車の宿と連携した企画だ。チェックインの少ない時間帯に企画書を作り、マネジャーの野村さんに相談しているそうだ。

「今はグッズ作成を進めていますが、アルバイトだからこれは厳しいねということはなくて、やりたいことは相談させてもらっています。他の寝台列車は地方に多いので、東京から地方へお客様を送って、貢献出来たらと思っています。」

 マネジャーの野村さんも、北出さんの企画に期待しているそうだ。

「彼は鉄道ファンが喜ぶことをよく分かっているし、鉄道ファンじゃない人が喜ぶこともバランスよく考えてくれるんです。うちで働いているスタッフさんで鉄道ファンの人はあまり多くないんです。お客さんは、鉄道ファンが多いので私たちの提案だけでは不足してしまう。今ジェイアール東日本都市開発さんとやっているので、どうやったら連携出来るかとか考えながら、私達をうまく使いながら進めて欲しいと思っています。」

お客様との接し方、仕事の任せ方、北斗星を起点にした事業の広がり、それぞれに「可能性に制限をかけない」という言葉がしっくりきました。そんな言葉にワクワク感を覚えた人は、ぜひ。

※本求人は募集を終了しています。

2017年03月24日 | Posted in 求人 | | Comments Closed 

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