「食と演劇」をつなげる、近くておいしいエンターテイメント


会社帰りに同僚とビールを飲みながら観戦する野球は、誰でも気軽に楽しめるエンターテイメントだ。

野球を楽しむのか、ビールを楽しむのか、新しい体験を楽しむのかは人それぞれ。

非日常なんだけれど気軽、そんな娯楽が大衆化し、文化になっていくのかもしれない。

 

Alive a liveは、素材や調理法へのこだわりが深い飲食店を舞台に、料理と、お客さんと、役者を一体化させた、”演劇ごはん”を展開している。

お店ごとに台本を創り上げることで、エンターテイメントとしての楽しさに加えて、普段消費者が意識しない生産の現場や、食と健康のつながりも伝えている。

 

今回は、演劇ごはん「彼女がお店を去る時に」の舞台となった南青山野菜基地で、代表の小濱さんと、女優兼制作のやずさんに話を聞いた。

 

代表の小濱さんは、理系の大学院を中退して、演劇の道を選んだ。

「エンターテイメントは人の心を動かせる、世の中へ影響を与えられると感じたのが、演劇を選んだ理由です。」

「僕はジブリが好きなんですけど、もののけ姫までの作品って、自然保護をテーマにしているものが多いんです。アニメというエンターテイメントを通すことで、社会課題を決してダークではない印象で伝えられるのがすごいなって。」

「僕も映画を見て、一気に何かが変わったわけではありませんが、何かを選択する時に、多少なりとも考える材料になっていると感じています。」

「芝居との最初の関わりは、芸能人見たさに始めた、ドラマのエキストラでした(笑)。当時は政治の道も考えていましたが、楽しく世の中へ影響を与えられるエンターテイメントに魅力を感じて、それから13年続けています。」

 

これまで役者としてだけでなく、プロデューサーとしても演劇に関わり続けてきて、演劇を仕事にすることの難しさを感じてきた。

「小劇場で行う演劇では、役者が食べていくビジネスモデルの構築は難しい、というのが僕が感じたことです。」

「劇場での演劇にかかる諸経費もそうですし、特に日本の場合は、劇場で演劇を見ることに対するハードルが高いと思います。」

 

課題に向き合った末に、新しい演劇の舞台として選んだのが、飲食店だった。

「日常生活に溶け込んだ場所にすることで、演劇を観に来るハードルが下がって、より身近になると考えました。」

「あと飲食店であれば、全国にいろんな食への強い想いを持ったお店があります。」

「今は東京の飲食店を舞台としていますが、全国に展開することで、地方の役者も出演出来ますし、何より演じる場を増やすことが出来ます。」

 

演劇ごはんは、演劇の舞台を飲食店に置き換えただけではなく、舞台とお客さんの垣根を取り払っている。

「海外で見た演劇が印象的でした。お客さんが大きな声で笑っていたり、役者がお客さんに少し水を飛ばしたりしていました。話の中でプロポーズされた役者が、喜びのあまりお客さんに抱きついたりしていることもありました。」

「言葉は分かりませんでしたが、役者もお客さんも一緒の場にいるという、一体感を感じました。」

「僕はこのお客さんと一体になっている演劇が、おもしろいなと思っています。」

「実は、飲食店を舞台にした演劇って、それほど珍しくないんですよ。ただ、飲食店が舞台だからと言って食べ物をテーマにしているわけではなかったり、お客さんをあくまで物語の外の人として扱っているものが、これまで僕が日本で見てきた演劇でした。」

「演劇ごはんの脚本作成は、お店の人に、僕と脚本家と演出家で話を聴きに行くところから始まります。『どういう食材を使っているのか』『その食材はどう作られているのか』『どういう料理の仕方をしているのか』『普段お客さんに伝えきれていないことはないか』などを聴き取ります。」

「そのこだわりを脚本と演出に落とし込んで、お店の人や生産者の想いをお客さんに伝えているんです。」

 

ジブリが自然保護をテーマにしていたように、演劇ごはんは食育をテーマにしている。

「舞台を飲食店としたのは、食や健康について伝えていきたいという想いもありました。僕は、食べることが好きですし、食の健康への影響も自分なりに勉強しています。実は調理師免許も持っているんですよ。」

「演劇は何かを伝える媒体だと考えているので、食育にフォーカスしました。」

「お店の人の想いや食材へのこだわりを、演劇で伝えること自体が食育だと思っているんです。」

「料理の手順だけでなく、その手順でなんでおいしくなるのかを知ることで、自分で作るにしてもお店を選ぶにしても、おいしいご飯を食べられる可能性が広がります。」

「食材に関しても、栽培方法の違いによる味の違いや、健康への影響を知ってもらうために、食べ比べのクイズなんかも演技に盛り込みます。お客さんにも、クイズに参加してもらったりもするんですよ。」

 

「身体にいいから食べるべきだ、では世の中は変えられません。」

「現実と非現実の交錯する一体感のある劇空間で、おもしろおかしくドラマ仕立てで食の素晴らしさを伝えているんです。間近で体験することで、感情移入しやすく、食の感性が心にしみていくのではと思っています。」

「ここで得た知識や体験を元に私生活で何を食べるかは、お客さんそれぞれが選択していけば良いと思っています。」

「演劇ごはんというエンタメが全国に普及することで、自然にその選択に変化を及ぼせるのではないかと考えているんです。」

 

やずさんは、2015年12月の演劇ごはん第一回からのメンバーだ。

「演劇ごはんとは関係のないオーディションで、私の芝居を見ていた小濱さんが声をかけてくれたのがきっかけです。」

「演劇ごはんを最初から全部理解していたわけではありませんでしたが、直感で『おもしろそう!』と思いました(笑)。」

 

演劇は、高校卒業後、大分から上京して3年間働いてから始めた。

「元々は声優になるつもりで、上京しました。3年間は社会人として働くと決めていたので、3年働いた後、仕事をしながら声優の養成所に通い始めました。」

「舞台の基本を学ぶ機会があり、芝居の方が楽しいなと感じたのが、演劇へ転向したきっかけです。」

「芝居だといろんな自分になれるのが楽しいんですよ。私すごい人見知りで、全然喋れないんですけど、お芝居だといろんな人柄を借りて喋れるのが楽しいなって。」

 

演劇ごはんに加わってから、それまでの芝居の日常に、大きな変化が起きた。

「最初は店員役でしたが、もうそっからが大変でした(笑)。」

「普通のお芝居と違って、お客さんに演劇の世界へ入ってもらうための、橋渡しをしなければいけないんです。お水を出すところから、コミュニケーションをとっていくんですよ。」

「セリフも、人生でこれだけいっぱいもらったことなかったし、お客さんと話すなんて初めてだし、やることが増えてパニックでした。」

「最初の頃は、求められることが出来なくて、苦しくて、稽古ではめっちゃ泣きました(笑)。」

 

でも、本番は楽しい。

「お客さんが味方なんです。助けてくれるから楽しいんです。」

「芝居をしながら、お客さんの笑いを誘えたりするんですよ。『笑っていいんだよ』って直接言えるんです。笑うことで舞台の空気も明るくなるから、それがいいなって思っています。」

 

Alive a liveは今、株式会社設立の準備を進めている。2年間続けてきた演劇ごはんを、これからさらに広げていく。

「役者、脚本家、演出家の方はもちろんですが、広報やブランディングなど、事業面で支えてくれる人にも来ていただけたらと思っています。」

「演劇ごはんの世界観をもっと形にして、発信していかなければいけないと思っているんです。今は、ホームページやSNS、ロゴやチラシ作成などは、自分たちでなんとかやっている状況です。」

「演劇ごはんの舞台は、今は東京がメインですが、地方展開もどんどんやっていきたいですし、いずれは世界も、と思っています。」

「みんなで演劇ごはんをやって、食と健康の面から、世界を良くしていきたいと思っているんです。」

 

演劇も楽しめるし、ごはんも楽しめるし、食の勉強にもなる。

どの体験を求めるかは人それぞれだけれど、演劇ごはんは、いろんな人が楽しめるエンターテイメントに仕立て上げられていました。

これから一緒に、「食と演劇」の新しい文化を創ってくれる方、いらっしゃいませ!

 

あ、そういえば、10月には「隣のテーブルのふたり」が開演するので、ピザを片手に演劇ごはん、いかがですか?

(吉田大樹)

 

  Alive a live(法人設立準備中)
求める役割 ① 役者、脚本家、演出家

② 演劇ごはんの世界観を引き出し、形にし、世の中へ伝えていく仕事(広報、ブランディング)

働く場所 ① 板橋区近辺

②  social hive HONGO 東京都文京区本郷三丁目40番10号 7F

働く時間 お仕事などの状況に応じて、相談可能です。
求める人物像 どんなことでも柔軟に対応し、それを素直に楽しめる人
雇用形態 ① 舞台ごとに依頼させていただきます。

② 事業のフェーズや関わり方に応じで相談させてください。

給与 事業のフェーズと関わり方に応じて相談させてください。
募集予定人数 複数名
応募方法 以下のフォームより、お名前/メールアドレス/電話番号/ご年齢/応募動機(短くて結構です)をお送りください。担当者から追ってご連絡させていただきます。質問や、ご相談等も受け付けております。
その他

 

 


関連記事