〈募集終了〉スポーツの力で、自然とつながりが生まれるマチへ

※本求人は募集を終了しています。一つの事業ストーリーとしてご覧ください。

 スポーツには、普段気を使うようないろいろな垣根を飛び越えて、人をつなげてしまう力がある。

プレーヤーはもちろんだけれど、コーチや保護者など、サポートする方も必死になって、気がつくとみんな打ち解けている。

NPO法人スポーツカントリーアンビスタは、「スポーツを愛する人に、最幸の環境を。」をミッションとして事業を展開している。

2016年4月に設立され、東京都荒川区を中心に少年少女のサッカーチームや、文武両道支援を目的としたアカデミーなどを運営している。

設立から1年で、サッカークラブの新コースだけでなく、文武両道支援アカデミーAcademiaAmbistaアカデミアアンビスタや、ロディヨガ教室Ragaラーガを新設した。

さらに、JFA日本サッカー協会公認団体として、地域の女性が年齢や経験に関係なく無料で参加できる「JFAなでしこひろば」や、子どもたちを対象とした「走力アッププログラム」、保護者を対象とした「アスリートフード栄養講座」を主催するなど、地域で多面的に活動している。

 今、大きく分けて2つの関わり方で募集しています。

1つ目は、法人営業及び広報として、活動内容をPRし、スポンサーやパートナーを開拓する仕事です。

2つ目は、総務・労務・法務など、専門性を活かした各種規定作りなど、NPOの基盤を作る仕事です。

今回は、普段活動しているグラウンドで、代表の石尾さんと、プロボノとして関わる鈴木さんに話を聞いた。北千住駅で待ち合わせて、15分ほど歩き、荒川沿いにある日の出グラウンドへ。

下町らしい商店街を抜けたところに、サッカーや野球が出来るグラウンドがあった。

 はじめに、代表理事の石尾さんに話を聞いた。

石尾さんは、新卒で就職した学校法人で私立大学の経営に3年間携わった後、NPO法人を設立し代表理事に就任した。高校まで選手としてサッカーに励み、大学では指導者へ転向し月給をもらうほど指導に打ち込んでいた。

就職後、縁あってボランティアとして女子サッカーチームを指導することに。そこで受けた衝撃が、石尾さんをNPO法人設立へと突き動かした。

「自分にとっての当たり前が、当たり前じゃない人がいるという衝撃があったんです。」

「私が男子としてサッカーをしてきて、本格的にサッカーを習いたければ家の近くにチームはいくらでもありました。そこには専門の指導者も仲間も何人もいて、練習環境も整っているし、対戦相手だってたくさんいる。」

「でもそれらすべてが、女子選手の場合はなかったんです。同じスポーツを愛しているのに、『性別が違う』というだけで、当たり前じゃない人たちがいるということを知ってしまったんです。」

その現実を知るのと同時に、自分の関わり方に違和感を感じはじめた。

「中途半端な関わりだったので、気持ち悪いからやめようかなと思ったのと、やるんだったらガッツリやりたいなという2つで揺れて。最終的には、25歳だったのでまだ若いですし、5年くらいやってダメでも、もう1回転職出来るだろうということで決意しました笑。」

この時からNPO法人設立に向けて、中心となって動き始めた。事業として成立させるためには、一定の規模は必要だ。そこで、同じ地区で活動する男子チームと一緒に、設立することにした。

設立にあたって、どんなことを実現していきたいか改めて考え始めた。考える材料は、自分がサッカーから何を与えてもらったか。

「挙げだしたらキリがないんですけど、一言でいうと、つながりなんです。」

「一生付き合える仲間や、尊敬出来る指導者との出会いもそう。高い目標を掲げて、実現に向けて諦めず努力を積み重ねる強さとか、仲間への思いやり、本気で意見をぶつけ合うときの言葉選びとか。」

「そういった目に見えない力が、今の私を社会やいろいろな人と結び付けてくれているなって。」

 そんなスポーツの力を実感しているからこそ、地域も巻き込んで、より多くの人につながりを作る場を提供したいと考えている。

「今、荒川区は再開発が進んでいる地域と、昔ながらの下町が混在していて、めちゃくちゃおもしろい文化ができてきてるんです。」

「この街に長く住み続けている人と、新しく住み始める人、違う性別、世代、趣味の人たちが、スポーツの力でつながっていく。そして、みんなが『今住んでるとこ、すっごいいいとこだよ』と胸をはって自慢できるような街づくりをしていきたいと思っています。」

 もう一つ、文武両道も石尾さんにとっての大事なキーワードだ。

「私自身、中学、高校、大学と必死になって勉強とサッカーに励んできたのですが、ほとんど『やらされ』でした。」

「でも、社会人になって仕事をして、やっと実感したんです。『あぁ、あのときやってて良かったな』って。それぞれのタスクへの時間と労力のかけ方だったり、一気にいろんなものが押し寄せても焦らずさばく力だったり。もちろん、半端じゃないド根性でやり切る力も含めて笑。」

AcademiaAmbistaは、そういった石尾さんの経験に基づく、文武両道を応援したいという想いが込められたアカデミーだ。

スポーツを教えずにスポーツ技能を高めること、教科教育をせずに定期テストの点数を上げることを特徴としている。

「基本的に重要な要素は2つだと思っていて、いかに適切な目標設定が出来るかと、モチベーションを途絶えさせないかということです。」

「講義は、社会で活かせる力の習得を目指して、アクティブラーニングを積極的に導入しています。前職で大学教員として、キャリア教育で実施していた内容をかみ砕いて盛り込んでいます。」

PDCAを少し変形させたサイクルを取り入れている。

「PDCSサイクルと呼んでいるですが、SはShareという意味です。スポーツをやっている子たちならではの、チームの仲間と共有するとか一緒に頑張るとか、比べて負けないように頑張るとか、そういう気持ちを持たせるためにSにしています。」

「そうして子どもたちの心を整えたら、どれだけ早く、どれだけいっぱいPDCSを回せるかが、子どもたちの成長につながると思っていて。これをとにかく回させまくるということを塾ではやっています。」

スポーツと勉強の両方をやっているから、PDCS×2のサイクルを回すことが出来て、成長につながりやすい。

 他にも、新たな事業が控えているそう。

「文武一体型の生涯スポーツ施設を作る、ということをクラウドファンディングも活用して始めようと思っています。」

「今まではサッカー法人っぽく見られることが多かったんですけど、法人として掲げるミッション・ビジョンの実現に向けて本格的に動き出そうかと。」

「建物の3、4階を借りて、3階では多世代を対象とした多種目のインドアスポーツ事業を展開する予定です。」

「4階ではスポーツを通じてできた繋がりを深める場にしたり、スポーツや健康について正しい知識を学べる場所にしようと思ってるんですよ。」

「新しい出会いの場にしたくて、例えばシニアの方にも生きがいを提供出来るような、スポーツを通じた心身のつながりを創れる場所にしたいんです。」

 そんな事業の成長を支えるのが、鈴木さんのようなプロボノスタッフの方々だ。鈴木さんは、コンサルタントとしてフルタイムで働く傍ら、半年ほど前から、月に1、2回のペースで手伝っている。

「スポーツカントリーアンビスタでは、会社でいう経営企画や財務みたいないところを手伝っています。」  

プロボノとして関わろうと思ったのは、普段の仕事とは違った経験を積んでみたかったから。

「コンサルとして覚えたことを、こっちでアウトプット出来るのが楽しいですね。こうしてみようかなと考えたことが、そのまま出来る。一緒にやっているメンバーも、毛色は違うんですけど、気が合って楽しく作業が出来ていますし。良い意味で半年経っちゃいました。」

月に1、2回の手伝い以外にも、自分の時間を見つけて仕事をしているようで、石尾さんの方を見て、笑いながらこんなことも言っていた。

「数字は石尾さんより詳しいですよ笑。石尾さんは、ブルドーザーみたいに前に進んでいくので、ポロポロこぼしていくんですよね笑。」

石尾さんも「拾いやすいでしょ笑。」と応えていた。

 半年関わってみて、鈴木さんから見たスポーツカントリーアンビスタはどうなのだろうか。

「この1年くらいで、ものすごい勢いで伸びていて、会員が3倍くらいに増えています。指導者が地域で直接教える事業で3倍はすごいと思います。」

「さらに、この1年は今までやってこなかった新しい成長の種をまいた期間だったんですね。4月からは施設を借りるので、形としてもどんどん整っていく。」

「そのぶん事務面はギリギリ追いついて及第点が精一杯だったんですけど。石尾さんにはさらにどんどん外に出て、営業していってもらいたいですね笑。」

AcademiaAmbistaについても、こんな見方で話してくれた。

「アカデミー単体の収益というよりは、勉強を理由にスポーツを諦めかけた子たちとも、アカデミーでつながりを保てるところが良くて、事業として広がりがあります。」 

 石尾さんも「私も後から気づいたんですけど笑」と言いながら、今後スポーツ事業を多種目多世代に展開した時の、AcademiaAmbistaの可能性をこう話していた。

「全てのスポーツに関わっている子どもたち、ないしは大人に対して、アカデミーを紹介することが出来る。事業としての成長ポテンシャルが一番高いと思っています。」

ビジョンと共に、事業としての成長性や安定性も重視した経営を目指している。

「スポーツのような自分の好きなことを仕事にしてると、『好きなことやってていいよね。でも、苦労してそうだよね』と見られることが多いんです。」

「そんなのくそくらえで、私自身は大好きを仕事にしたうえで、十分な収入を得て、子どもたちが目をキラキラ輝かせて追いかけることができる背中を見せてあげたいと思ってます。」

2017/7/16 追記

2016年5月末に終了したクラウドファンディングでは、150万円の目標金額を無事達成した。

地域のコーチを巻き込んだ勉強会や、社会人がピラティスを通じて交流するイベントなど、つながりが生まれる場を提供している。

リアルな場を手に入れて、展開のアイディアがどんどん湧いてきて、やりたいこと、やるべきことがいっぱいある。

「おもしろそう」って思ってていだたけた方は、ご連絡お待ちしています。

※本求人は募集を終了しています。

2017年03月25日 | Posted in 求人 | | Comments Closed 

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