日本酒の価値を再定義 -地域と人の魅力を引き出す-

 平安時代に創業した酒蔵が、今も日本酒を造り続けている。

変化が激しい時代と言われるけれど、酒蔵は100年企業でも、まだ若いと言われる世界だ。

ただ、この40年で日本酒の消費量は約三分の一になり、それに伴い酒蔵も徐々に減ってきている。

 ナオライ株式会社は、日本酒の価値を再定義し、企画や開発を通して、その価値を社会へ還元している。ミッションは、「多様で豊かな日本酒文化を未来に引き継ぐ」こと。

大きく3つの事業を手がけている。

1つ目は、広島県三角島のレモンをコンセプトにした、スパークリングレモン酒”MIKADO LEMON”の企画・製造・販売。「三角島レモンガーデン」で、無農薬レモンの栽培も手がけている。

2つ目は、SAKEコミュニティ”KAGURA”の企画・運営。広島と東京で定期的に開催しており、日本人だけでなく、海外の人も参加している。多様性溢れる空間で、日本酒文化に触れる機会を提供したいと考えている。

3つ目は、企業と一緒に、その企業のブランドでオリジナル日本酒を造る”YAOROZU”。具体的なプロセスは、まず、企業の経営理念やミッションをヒアリングし、お酒をつくる基となるコンセプトを設計。そして、コンセプトに沿った酒蔵(例えば、社長と杜氏の想いが似てる、企業が酒蔵の根付く地に所縁があるなど)をナオライで探してお引き合わせをし、オリジナル日本酒造りを企画・プロデュースしていく。

ナオライは2015年4月に設立され、日本酒に感じる可能性を1つ1つ形にしてきた。今、伝えたいことが貯まってきている。

 今回の募集は、大きく2つの仕事です。

1つ目は、「YAOROZU」事業を全国展開すべく、オリジナル酒造りを法人向けに提案するお仕事です。各地に根付く魅力的な酒蔵をより多くの人に知ってもらい、また企業にも世界に一つだけの日本酒づくりを楽しんでもらうことができます。

2つ目は、広島県三角島のレモンガーデンで、無農薬のレモン栽培を手がける仕事です。

走り続けているから、他にもやりたいことや、やるべきことはたくさんあります。

働く場所は、東京の本郷にあるオフィス、広島県三角島にあるオフィスあるいはレモンガーデンになります。いずれの仕事も、他の仕事をしながら、業務後や、休日を利用して関わっていただくことが可能です。

 東京都本郷三丁目にある、「social hive HONGO」を訪れた。そこは、ソーシャルスタートアップ向けのシェアオフィス。

 代表の三宅さんは、親族が広島で1856年創業の「三宅本店」を営んでおり、小さい頃から酒蔵や日本酒が身近だった。大学時代は、日本酒の大きな市場があるのではないかと中国に留学し、卒業後も中国で就職、起業をした経験がある。

MIKADO LEMONは、そんなグローバルな視点から生まれた。

「地域の魅力を盛り込んだ日本酒を、造ろうと思いました。広島は、レモン生産量が国内トップなんです。」

「日本酒は、米の産地と酒蔵が別々なことが多く、欧米人ががっかりする姿を見てきました。ワインは、例えばボルドーのように、ぶどうの産地と酒蔵が直結しているのですが。」

 MIKADO LEMONを造ろうと決めてから、レモン畑探しが始まった。

「ナオライはスタートアップなので、僕たちにしか出来ないことをやりたいと思いました。人とは違うことをしたかったんです。」

「自分たちの手で、無農薬のレモンを育てるために、レモン産地の島を転々と廻りました。」

「三角島に出会えたのはご縁ですが、ここで起業する人はいないだろうと思ったことも決め手です。」

三角島は広島県呉市に属する、人口約30人の島だ。

「三角島の、南向きの急斜面がレモン栽培にいいらしいんです。潮風でミネラルが運ばれるためだそうです。」

無農薬だから、草抜きや草倒しもする。

「島でお世話になっている方に、抜く草と、抜かなくていい草を教えてもらって、草抜きをしています。なんでこんなに草抜きしているんだ、って思う時もありますけど(笑)。」

島に来て良かったな、と感じられる経験をしている。

「自然の理を教えてもらっている気がします。レモン1つ作るのにこんなに苦労するんだと、ここに来なければ感じることは出来ませんでした。」

「島の人たちは、潮の満引きや気候を、当たり前の様に意識して生活をしています。」

「当たり前と言ったら当たり前なんですけど、僕らの世代はついつい忘れてしまいがちだと思います。島で昼寝をしていると、鳥の声や潮の音が聞こえるし、流れ星も見えるんですよ。」

 日本酒は、酒蔵によっても、地域によっても、違うものが出来上がる。

「日本酒造りでは、米と水、麹など、自然の力を最大化しています。」

「全国の酒蔵を廻りましたが、みんな違うんです。米と、水と、人と、麹菌で全然違う日本酒が出来上がるんです。」

その製法に、三角島産のレモンが加わることで、MIKADO LEMONは、広島県三角島を表現する日本酒になる。

「酒蔵は、かつてはアルコールを醸造する場でしたが、これからは地域をつくる場になりうると思っています。」

SAKEコミュニティKAGURAは、東京や広島で定期的に開催している。

「瀬戸内や広島などをテーマにして、酒宴を開いています。おいしいご飯とお酒を囲んで、人の輪が生まれる場を演出したいと思っています。」

酒宴の場で、MIKADO LEMONを通して三角島を知っていく。

三角島を知るのは、お酒の場だけではない。三角島CAMPを企画して、島外の人を招いている。

「2年間で約250人が、人口約30人の三角島のレモンガーデンを訪れてくれました。KAGURAで三角島を知って、興味を持って来てくれた人もいます。」

「生産者と同じ立場になって欲しいので、レモン栽培を手伝ってもらったり、島を廻ったりするんです。」

多くの人に三角島を訪れて欲しいという想いから、久比盛り上げ隊の梶岡秀さんと相談し、レモン”畑”ではなく、レモン”ガーデン”と呼んでいる。

「MIKADO LEMONは、あくまで第一号案件です。」

「ナオライとしては、全国約1200社の酒蔵の魅力を引き出し、伝えていきたいと思っています。」

 山花さんは、約半年間の複業期間を経て、約1週間前にナオライに転職した。それまでは、フルタイムの仕事をしながら、ナオライの仕事を手伝っていた。

「日本酒が好きだったのと、学生時代にNPO法人でインターンをしていたので、ソーシャルな分野に興味がありました。」

ある人が三宅さんを紹介してくれたのが、ナオライとの出会いのきっかけ。

「日本酒業界を変えていこう、というすごい大きなことをしているな、と感じました。」

「フルで関わりたい気持ちはありましたが、まずはお互い理解を深めようということで、最初は複業として始めました。」

「仕事はいろいろありましたが、MIKADO LEMONの営業先を探したり、人と会って『こういうお酒を造っています』と紹介していました。」

転職のきっかけは、YAOROZUの案件が進み始めたから。

「ナオライとしてもチャンスだったので、三宅さんに、自分の時間を全て使って関わりたいと伝えました。」

 YAOROZUでは、企業と一緒に日本酒造りの企画から製造まで、一緒に手がけていくことになる。

ゼロから日本酒を造るので、創り出すプロセスの経験や、社内コミュニケーションの活性につながる。

ナオライの仕事文化は、三角島でのレモン作りや、日本酒作りの経験から形成されている。

大事にしていることは、自分と向き合い続け、自分が納得出来ることをする、という姿勢だ。

「先月の失敗なんですど、売らなきゃという気持ちが先行しすぎて、頭を下げてでも、というスタンスになってしまいました。」

「自分たちの想いにプライドを持って、きちんと伝えて、理解をしてもらうことから始めるべきでした。」

「MIKADO LEMON 1本1本にいろんな歴史や、業界を変えたいという想いがつまっているんです。」

 ナオライは、年々縮小する日本酒業界で、何が出来るか、何をやりたいのか考え続けてきた。

「今、やりたいことが少しずつ形になってきているので、これからは伝えることにも力を入れたいと思っています。」

これまでは三宅さんが発信をしてきたけれど、これからはナオライとして発信をしたい。

「山花さんが入ってくれて、ディスカッションを通して、ビジョンがより具体的になってきました。」

 紡ぎ出されたビジョンは、「時をためて、人と社会を醸す」。

歴史と自然が調和した日本酒文化を、ゆっくりじっくり、人と社会に伝えていきたい。そしてそれが、人が新しい視点を持つきっかけになったり、地域の魅力を引き出すことにつながる、という想いが詰まっている。

「新しく来てくれる人には、ナオライのビジョンをさらに引っ張り出して、外に発信してほしいと思っています。」

 最後に、山花さんからメッセージをもらった。

「地域や酒蔵によって持ち味が全く異なることが、日本酒の魅力であり豊かさだと思います。多様な文化を残していくためにもぜひ、共感し関わってくれる方を求めています。例えば、地元の酒蔵や、ご自身の好きな酒蔵と企業をお繋ぎしてみるのも面白いと思います。」

「 三角島にも興味をもってくださる方は大歓迎ですし、ぜひ遊びにもきていただきたいです。ご連絡をお待ちしています。」

ナオライ株式会社
募集職種 ①オリジナル酒醸造の法人への提案(YAOROZU事業)
② 三角島レモンガーデンでのレモン栽培
仕事内容 ①オリジナル酒醸造の具体的なプロセスなどを紹介し、興味を示した企業に提案していくこと
② 三角島レモンガーデンでのレモン栽培
働く場所 ① 東京あるいは広島のオフィス
■東京オフィス(social hive HONGO
東京都文京区本郷三丁目40番10号 7F
■広島オフィス
広島県呉市久比3960番三角島
② 広島県三角島にあるレモンガーデン
働く時間 ① 応相談。フルタイムの方は、業務後や休日からでもOKです。
② 応相談。休日のみでもOKです。
求める人物像 ・日本酒や農業に興味がある方
・企業へ積極的に地域酒蔵の魅力を伝え、酒造りの提案が出来る方
・ナオライ株式会社のビジョンや事業に、共感する方
雇用形態 関わり方に応じて相談させてください。
給与 成果報酬型
※詳細は面接プロセスでお伝えします
募集予定人数 ① 若干名
② 若干名
応募方法 以下のフォームより、お名前/メールアドレス/電話番号/ご年齢/希望職種/応募動機(短くて結構です)をお送りください。担当者から追ってご連絡させていただきます。質問や、勤務のご希望・ご相談等も受け付けております。
その他 上記募集以外でも、「こんなこと出来そう、自分も何かしたい」と思っていただけた方は、ご連絡をお待ちしています。

2017年08月05日 | Posted in 求人 | | Comments Closed 

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